こちらに向かってくるトラック
あるイベントで撮影に関する質問を受けましたのでちょっと解説~。
その方の悩み
「国道を走っているトラックを撮影するとピントが合わないことがあるのです・・・」
ピンボケしている写真は全てこちらに向かって走ってくるものでした。
ハイお答えシマース
それは”後ピン”というものです。
【撮影サンプル】
特に被写体深度の浅いレンズで撮影していますので極端に出ていますが、被写体深度の深いレンズを使っても多少は出ます。
最近のカメラにはオートフォーカスが付いているものが多いですよね。
シャッター半押しでピントが自動的に合って便利なのですが欠点もあるのです。
そのひとつがレリーズタイムラグというもの。
これはシャッターボタンを押してから写真が撮れるまでの時間を表します。
カメラのシャッターボタンを押してから写真が撮れるまでを追ってみましょう。
1 シャッターボタンを押す。
2 シャッター幕が開く。
3 フィルム、または光学センサーに光が当たり写真が撮れる。
4 シャッター幕が閉じる。
たったこれだけなのですがこの処理に0.1秒かかったとしましょう。
0.1秒は平均的なデジタル一眼レフのレリーズタイムラグです。
(実際はもっと早い機種はいっぱいあるんですけどね)
時速60kmでこちらに向かってくるトラックはこの間にどれだけ進むでしょうか?
計算には秒速にしたほうが便利なので割り算します。
時速60kmなので答えは秒速16.66・・・m
レリーズタイムラグが0.1秒ならその簡に1.66・・・m進んでいるんですね。
ということは純粋にレリーズタイムラグだけでピントは1.66・・・mズレるということです。
キャビンのフロントグリルにピントを合わせてもキャビン中央から後部までズレるんですね。
次に人間的なお話をしましょう。
オートフォーカスカメラの場合はカメラがピントを合わせてくれるのですが、通常は常に追尾しているわけではなくある一瞬のピントを合わせています。
カメラの中にはボディがピントの照合を感知したら照合サインや、音が出るものがありますね。
このサインや音が出てから果たしてどのくらいの時間で指がシャッターボタンを押せるでしょうか?
人間工学です。
人間の反射神経は0.2秒前後が限界だといわれています。
予想して動くなら別として通常フレーミング確認から指先が動くまで0.2秒が限界。
仮に訓練して0.2秒でこの行動ができたとしてトラックは3.33・・・m進んでいます。
レリーズタイムラグと合せると5m。
かなりの距離ですね。
2t10尺ならほぼ後部です。
最後にシャッター速度のお話をしましょう。
シャッター速度というのはシャッター幕が開ききってから閉じきるまでの時間です。
先ほどの計算式に当てはめると、シャッター速度1/100なら0.166・・・m。
なんだ17cm弱か?とバカにしないようにしてください。
先ほどのレリーズタイムラグと合せると・・・・・。
こういった細かい時間の積み重ねがピンボケの原因になっているのです。
では、理屈が分ったところでどのようにすれば後ピンを解消できるのでしょうか?
一番簡単なのは先進技術に頼ること。
カメラによって名称は違いますが「動体予測」「駆動予測」と呼ばれるものです。
機構としてはシャッター半押しで作動し、半押しの間被写体を追尾、そのままシャッターボタンを深押しすればレリーズタイムラグも計算してピントを合せてくれるものです。
半押しの間追尾というのがポイントで、これにより人間の反射神経による時間差をほぼ0にしています。
完全ではありませんがかなりの精度でピントが合います。
【撮影サンプル】
トラックにピントが合っていますが対向車線の乗用車はボケていますね。
こういったメリハリの利いた写真が撮れると動くものにピントが合っていると実感できるものです。
で、他の方法は・・・・かなり力技です。
オートフォーカスカメラで「駆動予測」等レリーズタイムラグを解消する機能が無いものはマニュアル撮影です。
マニュアルフォーカスカメラもマニュアル撮影です。
撮影方法は置きピンというもの。
フレーミングを決めその位置でピントを合せておきます。
あとはそこを通る瞬間にシャッターを切るだけ。
忘れないで下さい。
アナタの反射神経速度。
これだけは人ごとに違いますので感覚をつかむしかありません。
コンパクトカメラはピンホールレンズが多いため何もせずにワリと合うかもしれません。
絞りが調節できるなら絞り込んでもいいのですがその分シャッター速度が落ちるので注意が必要。
レンズ付フィルムは諦めてください。
シャッター速度が固定されているのでムリです。
さてダラダラと書いたワリには先端技術任せの回答だったわけですが一度お試しください。
その方の悩み
「国道を走っているトラックを撮影するとピントが合わないことがあるのです・・・」
ピンボケしている写真は全てこちらに向かって走ってくるものでした。
ハイお答えシマース
それは”後ピン”というものです。
【撮影サンプル】
特に被写体深度の浅いレンズで撮影していますので極端に出ていますが、被写体深度の深いレンズを使っても多少は出ます。
最近のカメラにはオートフォーカスが付いているものが多いですよね。
シャッター半押しでピントが自動的に合って便利なのですが欠点もあるのです。
そのひとつがレリーズタイムラグというもの。
これはシャッターボタンを押してから写真が撮れるまでの時間を表します。
カメラのシャッターボタンを押してから写真が撮れるまでを追ってみましょう。
1 シャッターボタンを押す。
2 シャッター幕が開く。
3 フィルム、または光学センサーに光が当たり写真が撮れる。
4 シャッター幕が閉じる。
たったこれだけなのですがこの処理に0.1秒かかったとしましょう。
0.1秒は平均的なデジタル一眼レフのレリーズタイムラグです。
(実際はもっと早い機種はいっぱいあるんですけどね)
時速60kmでこちらに向かってくるトラックはこの間にどれだけ進むでしょうか?
計算には秒速にしたほうが便利なので割り算します。
時速60kmなので答えは秒速16.66・・・m
レリーズタイムラグが0.1秒ならその簡に1.66・・・m進んでいるんですね。
ということは純粋にレリーズタイムラグだけでピントは1.66・・・mズレるということです。
キャビンのフロントグリルにピントを合わせてもキャビン中央から後部までズレるんですね。
次に人間的なお話をしましょう。
オートフォーカスカメラの場合はカメラがピントを合わせてくれるのですが、通常は常に追尾しているわけではなくある一瞬のピントを合わせています。
カメラの中にはボディがピントの照合を感知したら照合サインや、音が出るものがありますね。
このサインや音が出てから果たしてどのくらいの時間で指がシャッターボタンを押せるでしょうか?
人間工学です。
人間の反射神経は0.2秒前後が限界だといわれています。
予想して動くなら別として通常フレーミング確認から指先が動くまで0.2秒が限界。
仮に訓練して0.2秒でこの行動ができたとしてトラックは3.33・・・m進んでいます。
レリーズタイムラグと合せると5m。
かなりの距離ですね。
2t10尺ならほぼ後部です。
最後にシャッター速度のお話をしましょう。
シャッター速度というのはシャッター幕が開ききってから閉じきるまでの時間です。
先ほどの計算式に当てはめると、シャッター速度1/100なら0.166・・・m。
なんだ17cm弱か?とバカにしないようにしてください。
先ほどのレリーズタイムラグと合せると・・・・・。
こういった細かい時間の積み重ねがピンボケの原因になっているのです。
では、理屈が分ったところでどのようにすれば後ピンを解消できるのでしょうか?
一番簡単なのは先進技術に頼ること。
カメラによって名称は違いますが「動体予測」「駆動予測」と呼ばれるものです。
機構としてはシャッター半押しで作動し、半押しの間被写体を追尾、そのままシャッターボタンを深押しすればレリーズタイムラグも計算してピントを合せてくれるものです。
半押しの間追尾というのがポイントで、これにより人間の反射神経による時間差をほぼ0にしています。
完全ではありませんがかなりの精度でピントが合います。
【撮影サンプル】
トラックにピントが合っていますが対向車線の乗用車はボケていますね。
こういったメリハリの利いた写真が撮れると動くものにピントが合っていると実感できるものです。
で、他の方法は・・・・かなり力技です。
オートフォーカスカメラで「駆動予測」等レリーズタイムラグを解消する機能が無いものはマニュアル撮影です。
マニュアルフォーカスカメラもマニュアル撮影です。
撮影方法は置きピンというもの。
フレーミングを決めその位置でピントを合せておきます。
あとはそこを通る瞬間にシャッターを切るだけ。
忘れないで下さい。
アナタの反射神経速度。
これだけは人ごとに違いますので感覚をつかむしかありません。
コンパクトカメラはピンホールレンズが多いため何もせずにワリと合うかもしれません。
絞りが調節できるなら絞り込んでもいいのですがその分シャッター速度が落ちるので注意が必要。
レンズ付フィルムは諦めてください。
シャッター速度が固定されているのでムリです。
さてダラダラと書いたワリには先端技術任せの回答だったわけですが一度お試しください。
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