20090506

あ~あ~PL~

さて今日はPLについて勉強しましょう。

PLとは・・・・某KKコンビが在学していた野球強豪校じゃありません。
PLとは・・・・偏光機能を持つフィルターのことです。
レンズの先端に取り付けることによって偏光効果が得られます。


写真は偏光フィルターの例。
写真を見ていただくと分ると思いますが一般的なフィルターより厚めです。

回転枠部分とフィルター本体の2重構造になっており、レンズに回転枠部分を装着した状態でフィルター本体を回転させることができます。

ここがミソ。
PLフィルターの構造は、ガラスとガラスの間に「偏光膜」という特殊な膜を挟み、ある特定の光を遮断するようになっています。
ただ全ての光に対して有効かというとそうでもなく、反射光の中で偏光というものに対して効果が表れます。
反射された偏光に対してPLフィルターの偏光方向を90度ずらして設置してやれば反射光のみをカットでき、他の光やPLフィルターの偏光方向と同じ向きの光はそのまま通過させます。
なにやら難しい話ですが具体的に使ってみるの方が良さそうです。
アートトラックで反射といえばステンレスやメッキの反射。
しかしステンレスやメッキの反射光は偏光ではありません。
ほかに反射光を探してみるとガラス面への反射というものがあります。
トラックの窓ガラスに隣のトラックや風景が反射して写り込んでいるのをよく目にします。
ガラスへの反射光は偏光であることが多くPLフィルターの出番でもあります。
ただこの反射光は撮影に際してさほど気になるものではありません。
同様の反射光としてペイントへの写り込みというものもあります。
ペイントは仕上げにクリアが吹き付けてあることが多く、それが幕となりガラスのような反射を発生させます。
ひとつ実際の撮影例を挙げてみましょう。
 
トラック側面のペイントを撮影したものですが色々なものが写り込んでいますよね。
暗い部分はそれほどでもありませんが明るい部分には隣に止めたトラックが写っています。
特に空が写っている部分は白くなり何が描かれているのか判断が困難です。
こんなときこそPLフィルターの出番。
レンズ先端にPLフィルターを装着しフィルター本体をゆっくりと回転させると徐々に反射が消えていきます。
目で確認しながらちょうど良いところで回転を止め、あとは撮影するのみ。
 ※回転させすぎるとまたもとの戻ります。
反射面との角度によってフィルターの回転位置も変わるので毎回ファインダーで像を確認しながら撮影しましょう。

 
ほら、随分反射が減ったでしょ?
全てを消すのは困難ですがかなり見やすくなったと思います。
これだけを見るとトラックの撮影に非常に有効なPLフィルターですがいくつか欠点があります。
 1:通過する光が減る(約絞り2段階分減少する)
 2:フィルター自体に寿命がある(約10~15年)
 3:他のフィルターより高価である。

【普通のフィルター】
  HAKUBA MCスカイライト1B 55mm
ここまでの話を聞いてPLフィルターが欲しくなって色々調べた方は、PLフィルターにも種類があることに気付く思います。
枠でいえば一般と薄枠タイプ。
PLフィルターは構造上2つの部品に別れますのでスカイライトフィルターなどに比べて厚くなりがちです。
そこで支障が出てくるのが広角レンズ。
フィルターの影や場合によってはフィルター自体が写ることもあります。
一般タイプの枠を使用し、撮影した写真の四隅が暗くなったり黒い物が写ったらまずこの現象。
また偏光の種類でいえば偏光と円偏光。
偏光は昔ながらのMFカメラに使用し円偏光はAFカメラ等に使用します。
円偏光はサーキュラーを呼ばれ若干高めですがカメラに内蔵されたAEとの露出ズレや色ズレを軽減します。
実際に購入することを考えますと対費用効果は薄い機材です。
ガラスやペイントへの反射を軽減するだけで3000円~20000円の出費は痛い。
レンズを数本持っているとするとフィルター枠の種類の数だけフィルターも必要になりますから。
所持している最も大きなレンズのフィルター枠に合せてフィルターを買いそれより小さいものはステップアップリング等で補うのもひとつの手です。
アートトラック撮影においてPLフィルターはこんな人ならお薦めというのを考えてみました。
 ・ペイントを斜めから撮ってコレクションしている。
 ・窓ガラスの外からトラックの室内を撮るのが日課。
うーん思いつかん!
どちらにしろちょっと変わったものを撮りたい人向けのフィルターです。
 
        PL効果なし             PL効果あり